コカ・コーラ VS ペプシ 100年戦争の本当の話
~食研レポ~
1975年。ダラスのショッピングモール。
小さなテーブルに二つのカップ。一方には「M」、もう一方には「Q」と書かれているだけ。中身は何か分からない。あなたならどちらを選ぶか。
これが「ペプシチャレンジ」だ!
ブラインドテスト(目隠しテスト)で、消費者は繰り返しペプシを選んだ。「コカ・コーラの方が美味しい」という信仰を、味覚が裏切ったのだ。
食品マーケティング史上最大の戦いが幕を開けた…
まず双方の誕生から話を始めよう。
コカ・コーラ:1886年、ジョージア州アトランタ。元南軍中佐でモルヒネ中毒のジョン・ペンバートン薬剤師が作った(この話は別の記事で詳しく書いたので割愛する)。
ペプシ:1893年、ノースカロライナ州。薬剤師ケイレブ・ブラッドハムが「ブラッドドリンク」として調合。1898年に「ペプシコーラ」に改名した——消化酵素「ペプシン」と「コーラ」の造語だ。
コカ・コーラが圧倒的な先行者優位を持っていた。1950年代初頭、コカ・コーラはアメリカコーラ市場の60%を支配していた。
ペプシが最初に大きな一手を打ったのは1930年代の大恐慌時代。
「同じ価格で2倍の量」——12オンスのボトルを5セントで売り始めた。
コカ・コーラの6オンスボトルも5セントだった。
コカ・コーラが「ブランドへの信頼」で売る間、
ペプシは「コスパ」で攻めた。
この戦略は低所得層と若い世代に刺さった。
しかし1960年代まで、コカ・コーラの優位は続き、1950年から1983年の間に、コカ・コーラの市場シェアはペプシの台頭によって、60%から24%まで落ちた。
1975年、ペプシチャレンジ。
テキサス州ダラスで始まったブラインドテストが全国展開された。結果は一貫してペプシ優位。コカ・コーラ幹部は「テスト方法に問題がある」と否定したが、内部では衝撃を受けていた。
神経科学者の研究が後に説明している。
「ブラインドテストでは甘い方が好まれる傾向がある」と。
ペプシはコカ・コーラより甘い。一口目の印象では甘い方が有利だが、
コーラを一本飲み切る頃には「コカ・コーラの方が飽きない」という評価になることが多い。
これが「サイプ・エフェクト(sip effect)」と呼ばれる現象だ。
しかし当時は誰もそれを知らなかった。
1985年4月23日。歴史上最大の食品マーケティングの失敗と言えるだろう。
コカ・コーラは「ニューコーク」を発表。ペプシチャレンジに対抗し、より甘いレシピに変更した。
次の日から電話が鳴り止まなかった。
「元のコーラを返せ」
コカ・コーラ本社に届いた抗議の手紙と電話は合計40万件。「オールド・コーラ・ドリンカーズ・オブ・アメリカ」という市民団体が設立され、元の配合への復帰を求め、フィデル・カストロまで「アメリカ資本主義の凋落の証拠」と批判した。
ペプシは大喜びで従業員全員に1日の特別休暇を与え「コーラ戦争に勝利した」と宣言。
コカ・コーラは79日後の7月11日、「コカ・コーラ・クラシック」として元の配合を復活させたのだった。
ここで奇妙なことが起きた。
コカ・コーラ・クラシックの売上は、ニューコーク以前よりも上昇したのだ。
陰謀論者たちは言った「全部計算だったのではないか?」。
コカ・コーラ側はこれを否定したが、確かにこのスキャンダルでコカ・コーラへの「愛情」が再確認され、ブランドへの愛着が強化されたのは事実である。
コーラ戦争の「本当の勝者」は誰なのか。
市場シェアで見れば、コカ・コーラは今も世界首位だ。
ペプシはスーパーマーケットではコカ・コーラを上回った時期があったが、自動販売機、飲食店のドリンクサービスなどトータルでは常にコカ・コーラが優位だ。
ただし現在、ペプシコ(ペプシの親会社)の総売上はコカ・コーラを上回っている——フリトレー(ポテトチップス)やゲータレード(スポーツドリンク)などの事業が大きいからだ。「コーラブランド」ではコカ・コーラが勝ち、「飲食品総合企業」ではペプシコが勝っている。
本当の意味での勝者は消費者なのかもしれない。二社の終わらない戦争のおかげで、私たちは常に
「より良い、より安い、よりスタイリッシュなコーラ」
を提供され続けた。マーケティング競争が製品とサービスを向上させる資本主義の最も純粋な実例として、コーラ戦争はあらゆる文献に載り続けている。
今回はこれでおしまい。
ではまた、次のレポで!















クリスティアーノ・ロナウドが2021年の欧州選手権(EURO 2020)の記者会見で、机に置かれた公式スポンサーのコカ・コーラのボトル2本をどかして「水を飲もう(アグア!)」と水を掲げた行動で、コーラのボトルの排除直後、コカ・コーラの時価総額が一時約40億ドル(約4,300億円)なったのよね。
ペプシもコーラも身体には良くない。けど、ウルトラマラソンランナーにはコーラは必須!コーラの糖分と、炭酸のリフレッシュでまた走れるから。